ナムコの名作ゲームと俺

俺の家にファミコンがやってくる1年前。歳が一回り離れた従兄弟がファミコンを買った。
何せそれまでは「ゲーム」といえば喫茶店しか出来ないもので、しかもお金が掛かる。
幼稚園児の俺には気軽に出来るもんじゃない。父の気まぐれお供があった時に喫茶店でクリームソーダをご馳走してもらい
その上で更に父のポケットに100円玉の余裕がある時ではないと触れることのできないものだった。
パックマンのルールすら「黄色い点々を触るゲーム」としか理解できてない俺には
ステージクリアなど想像もつかぬ事だった。

そこに従兄弟が買ったファミコンである。
喫茶店のテーブル筐体でしか触れなかったあの黄色い点々が思う存分触れるのだ。
従兄弟は休日に家にいることが少なく、友達と遊びに出ているタイプ(元ヤンキー)だったから
日曜日は従兄弟の弟と思う存分ゲームが出来た。
ルールを理解し、ステージクリアの概念を持つ事ができるようになると、それはそれは面白い遊びへとかわった。
そもそも父も従兄弟も喫茶店のインベーダーやパックマンに百円玉を積み上げてハマったわけで、
そんな面白いものに幼い俺がどっぷりとハマるのは仕方のない事だったと思う。
従兄弟は当時既に社会人だったのでソフトを次々と買ってきた。
ファミコン創世記はファーストの任天堂タイトルに負けず、ナムコアーケードゲームの人気タイトルが
面白さそのままに百円玉無しで遊べるようになったのであった。
それはファミっ子モヘヤ、誕生の時である。

ギャラクシアンスペースインベーダーの亜流だったが、上から降りてくるだけのインベーダーと比べて
すげぇ勢いで敵が襲いかかってくるわけだ。
正対する敵が実質1vs1だったインベーダーにはなかった、1vs多数を嫌でも感じられるゲームとなる。
そこでこっちのギャラクシップも負けちゃいられないとばかりに超早い弾を撃つわけだ。
画面上に一個しか弾を撃てないのはインベーダーと変わらないけど僅かな時間で画面上部に弾が消えるので
ダメ元で暴れ連打すると次の弾が間に合う、そんな所も好きだった。
裏ワザで「風の谷のナウシカ」の「らん らんらら らんらんらん」も聴けて、ゲームに疲れた時に休憩がてら音楽を楽しむ事も出来た。
単純なゲームだったがしゃぶり尽くさんばかりに楽しんだタイトルだった。